銘柄の絞り込みツールとして活用
まずは、夕凪さん自身の投資スタイルについて、教えてください。
投資スタイルというか、私自身では『イベント投資』という風に名付けています。イベントドリブンとも言われていますね。企業活動において株主優待とか日経平均の入れ替えとかが今後に控えていると分かった場合に、その銘柄で過去に同じことが起きた時の株価の動きを分析して投資する、という感じですね。
ある程度イベントを予想しながら何が起きるかという相場感を持って投資する、といったイメージでしょうか?
はい。ただし、それだけでは投資判断としては弱くて、イベントに対して高値を抜けたとか、そういった情報が欲しい。そこで、コーポレートアラートを活用しています。
監視用としてご利用頂いていると。
銘柄数を絞り込むツールとしても利用しています。例えばですけれども、3月優待というイベントを対象にすると、銘柄数が余りにも多くなり過ぎる。そこで、コーポレートアラートを見て年初来高値を超えてきた銘柄にターゲットを絞りこんで買うという使い方です。
お気に入りは年初来高安アラート
特にお気に入りのアラートは何でしょうか?
フィルターを掛けて拾っているのは、ストップ高と年初来高値アラートです。上場来高値は私の中ではそこまで重要ではないです。あと、出来高アラートの見方は少し難しい点もあって、例えばクロスや優待に絡んだ売買があると、つられてアラートが出てしまいます。
フィルターで絞り込むというより、個別銘柄の履歴から、株価の流れを確認するために使うほうがいいかもしれませんね。
そうですね。出来高は日本市場独特の色々な要素が入ってくるので、その辺を注意して扱わなければならないです。
重点的に利用しているのは年初来高安アラートでしょうか?
その通りです。年初来高安アラートを一番使っています。他にも、株価急騰アラートも意外と重要視しています。年初来高値アラートと組み合わせて、株価も急上昇している銘柄があればいいです。複数のアラートを同時に眺めてみると意外な発見があります。
ストップ高安アラートはどう使っていますか?
ストップ高安は、また別な投資手法ですね。ストップ高に近づいていたら買う買わないを判断します。
超短期のレンジですね。
張り付くか、張り付かないか、というところの勝負です。
コーポレートアラートと他のツールとの使い分け
日経マネーさんの記事を拝見しましたが、夕凪さんのPCは複数のディスプレイになっていますよね。何面ぐらいでしょうか?
大きいディスプレイを縦に4面使っています。
右側がカブコムさんの画面ですね。
右側がカブコムの情報画面とGMOの発注画面、真ん中にはツイッター、左側にコーポレートアラートを置いています。常に目線に入るように置くことが重要です。
それぞれを組み合わせて使っていると。
コーポレートアラートで銘柄を探して、カブコムの画面にその銘柄を打ち込んでチャートとニュースを確認して、買う買わないを決めるという感じです。
コーポレートアラートのお気に入り登録画面と、カブコムさんの銘柄登録画面はどう使い分けていますか?
お気に入り画面は使わずに、フィルター機能のみを使っています。
カブコムさんの銘柄登録機能を使って監視銘柄をウォッチしていると。
そう、固定でそれを監視しつつ、コーポレートアラートは相場を俯瞰的に見るときに使います。
俯瞰的にというと、相場全体の変化を見る感じですね。
相場全体が上昇したときにこそ、このツールは使い勝手があります。年初来高値とかを注目しているので。他社のツールだと、年初来高値は株式分割とかがあるとノイズとして発生してしまうが、コーポレートアラートでは出てこないのも良いです。
※編集部注:コーポレートアラートは調整済みの株価を使っています。
イベント投資以外の利用シーン
イベント投資法以外で、コーポレートアラートが活用できる投資スタイル、逆に合わないだろうなと思うスタイルはありますか?
順張り派の人には活用できると思います。逆張りだと乖離率を出さないといけないので。年初来高値を更新しているのを更に買っていくスタイルに適しています
ファンダメンタル投資の方はお使い頂けそうでしょうか?
ファンダメンタルズの人は、それほど株価を注視していないと思いますが、年初来高安を見ている人は結構います。いわゆるブレイク投資というもので、高値をブレイクしたときに買い足す人は多い。短期系でファンダメンタルやっている人にも使えるんじゃないでしょうか
逆張り派の人には向かないかも知れない。
逆張りで、あえて年初来高値での売りや、ストップ高達成時点での売りを得意とするスタイルには向いているかもしれないですね
かなり、勇気のある投資法ですよね。
そうですね。ちなみに、ストップ高の情報は証券会社の情報画面でも確認できますので、それらと差別化が出来ると、なお良いです。例えば、気配で上がっていく途中でストップ高に近づいているとかを検知できると素晴らしいです
3月に、特別気配と5分前比急騰急落アラートをリリースしました。ストップ高や年初来高値を更新した銘柄を調査したところ、事前に特別気配が付くものが多いです。
それは、あると便利ですね。あと、IPO 銘柄とかを逆指値注文して、価格を超えた瞬間に買い付けるとかしている人も多いです。特別気配はそういう動きが直ぐに分かるのでいいかもしれませんね
ストップ高や年初来高値アラートを組み合わせると、例えば一旦ストップ高に張り付いた後に、剥がれて株価が下がってきたという状態も検知できそうです。
嬉しいですね。秘密兵器となりそうです